2022年5月16日(月曜日)
13日の小雨が降りやまず、雨が街路樹の草木の匂いを運ぶ浅草。
浅草寺にほど近い、木馬亭で「浅草21世紀 喜劇 見合って見合って~初恋残った」を観ました。
何故かと言うと、
歳末になると江戸の街を訪れ、お笑い・曲芸などの芸を披露していた人たち。
彼らは元来は宗教者という一面を持っており、
「人の心に影響を与えることであらゆる厄災を祓う役割を担っているのではないか?」と思い、
それを確かめたく、出来れば肌で感じたかったからだ。
とりあえず木馬亭へフラっと立ち寄り、公演情報をチェック。浪曲の講演がたくさんあり、この日は浅草21世紀という劇団による喜劇があるようだった。
眺めているとお姉さんが出て来たのでたずねてみた。
「あ、すみません。お正月とかに江戸に現れた芸能民のことが知りたくて」
お姉さんは「は?」となっていた(っぽい)。いきなりごめんなさい(ノД`)。
話によると「木馬亭」は、昭和の古い時期からある劇場で、浪曲がメインで他にも喜劇や曲芸・歌謡ショーなどを行っているようだ。丁寧に説明してくれた。
そしてなんと!お姉さんは「おののこみち」さんという本日の出演者の一人だった!
浪曲も気になるけど、これは「今日の公演に行くしかない」となる。
時間が来たので、当日チケット(2,800円)を買おうとしたら
「誰かの紹介で来られましたか?」
と訪ねられる。
え?ええーーーーーーーーー?!
ナニカ!予想外の質問が!「合言葉は?」的なヤツか?!
きっと、スタッフや出演者の紹介で来た人は割引きとかがあるのでしょうね。
「紹介ではないので、当日券で」って言えば大丈夫そうです(初心者向けアドバイス)。
自分はその時、覚えてくれてた出演者のこみちさんがフォローしてくれました。(ポンコツ)。
「紹介で来ました」って言うと割引きしてくれちゃうかもしませんが、ズルはいけません(笑。
肝心の舞台ですが、前半は舞やシャンソン、日本のマジックの我妻(わずま)などがオムニバスに展開。
後半は、喜劇でした。
シャンソンは馴染みが無いのですが、自分より上の世代の方はリズムに乗ったり口ずさんだりしていいたので、昭和の初めか中期ぐらいはメジャーなヒットソングだったのでしょうね。
客層がほぼその世代のため、後期高齢ネタが多い印象でした。その世代の人からは「わかるかわる~」だろうけど、下の世代からすれば相当ブラックです(笑。
前半で一番印象に残ったのは我妻(わづま)。
古くは奈良・平安からあった日本の「マジック」で、我妻の名称は江戸時代からだそうで、水芸もその一つ。
和傘や箱などの和の小物を操り、音と小道具それに合わせたしぐさが華麗で幻想的。マジックで驚かせるというより魅せる芸術な印象でした。
後半の喜劇ですが、「見合って見合って~初恋残った」が始まります。ここでタイトル回収です。
前半はオムニバスで後半は長編の喜劇、という流れが定番っぽいですね。
喜劇の舞台というのは生まれて初めてですが、キャラクターとストーリーが非常に濃く、前半を忘れてしまいそうです(ぉぃ。
そして、待ちに待ったこみちさん登場。綺麗で情の深い、素晴らしい歌声に心打たれました。
刺激的な後期高齢ネタが多いと書きましたが、お笑いやTVのバラエティ番組が好きなら誰でも楽しめるのではないかと思います。
親御さんやおじいちゃんおばあちゃんを誘って行くのもアリだし、大正/昭和レトロに興味ある人にもお勧めだし、日本が好きな(日本語が分かる)外国の方にも喜ばれそうです。
最後に本題に戻りますが、座長さんが最初の方で、
「笑うことで心が健康なる。元気がなくなったらここに来てください。私たちがいます。」
そのようなことを綴っていました。
宗教的な意図はないかも知れませんが、笑いで病やあらゆる災厄を吹き飛ばす…そういった精神があるものだと確信が持てました。
その精神は江戸時代…それよりもっと前にルーツがあるのではなないかと、根拠はそれほどあるわけでなく、だったらいいなで言ってますが。
木馬亭を訪れてちょっとつかめて来たので、
「古代の神に通じ、あらゆる厄災を祓う者 河原ノ者」
このテーマで、久々に妖怪版画しようかなと思ってます。
「見合って見合って~初恋残った」は終了しましたが、毎月1週間・木馬亭で浅草21世紀の舞台を開催しているようです。
6月は「喜劇 バッドボーイズ」が、2022年6月12日(日)から19日(日)に公演されます。
興味があれば!
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