定期チャット会でどんな話をしているか…
気になる(?)内容を月ごとに閲覧出来ます
開催日 | 2019年11月27日(金) |
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お題 | 坊さんと妖怪 |
参加人数 | 3名 |
参加メンバー (敬称略) | 雪風、 けいちゃん、 しろた |
参加頂いた皆様 有難う御座いました
ふと
「仏教やお寺が関わっている妖怪って結構いるよね」
と思い、お題にしてみました。
集まったのは少人数でしたが、次々と坊さんの妖怪がいくつも出てきました。
全てを書くのはちょっと無理そうなので、特に盛り上がった話題などを中心にまとめて行きます。
鬼太郎愛好家の雪風さんから、元興寺が真っ先に挙げられました。
妖怪大全によれば、6世紀(弥生時代)とかなり古く、夜ごと元興寺の鐘つき堂へ行った童子が必ず死んでしまった怪異から来ているようです。
墓場鬼太郎や歴代アニメで妖怪大統領(プリガドーン)の話に度々登場するようです。
さらに鬼太郎の元興寺は、カロリーヌちゃんという娘がいたことが話題になりました。
元興寺とカロリーヌちゃんは見た目が似ていないのですが、3期では実子となっていたらしいです。
育ての親なのか、雪風さんも「そのあたりもよく分からない」とコメントしてました。
カロリーヌちゃんを拾って養育したのたら、無茶苦茶優しいと思います(もしくはロリータ趣m…)。
しかし、伝承で元興寺は童子=子どもを死に至らしめる妖怪なので、何らかの心境の変化があったのは間違いないでしょう。(もしかして死んだ童子の一人??いやカロリーヌだし…)
元興寺とカロリーヌちゃんの関係は、謎を残したままとなりました。
他には【妖怪図鑑】新版TYZで見つけた「阿弥陀魚」についてたくさん話しました。
中国の僧により集められた仏教説話集の一つで、平安の今昔物語にも収められているようです。
あるとき、天竺の方のとある島。渚に数千匹のに大魚が押し寄せました。人のような声で「阿弥陀仏、阿弥陀仏」と繰り返して発していたことから、その名が付けられました。
詳しいいきさつは長くなるので、引用元のサイトからどうぞ。
「阿弥陀魚」は阿弥陀仏が顕現されたもので、阿弥陀仏の言葉の意味を知った島の人々は、
ひたすらに阿弥陀仏を念じるようになりました。これにより島民はみな浄土に生まれ変わり、島は無人島となって荒れ果てていきました。
【妖怪図鑑】新版TYZ「阿弥陀魚」より
というバッドエンドなのかハッピーエンドなのかよく分からない、壮大…いや壮絶なストーリーになってます。
仏教発の怪異の説話は、基本的に宗派の教えがコンセプトになっていますよね。
平安時代に貴族の間で広まった「ケガレ思想」に繋がる逸話でもあるので、そういう意味でも興味深いです。
これに対し、
「怖いですね」
「そういえば宗派の影響もありますね。鉄鼠も宗派のバトルで負けた坊主だし。」
というコメントがありました。
さらに食べるために殺す行為が罪穢れとされているのに対し、
「守っていたら生きることができませんが」
という意見もあり、仏法を守ったがゆえに島の人が滅んでいった展開がそれを物語っていますね。
仏教の説話なので、「生きることそのものが罪深いんだ。生かされていることに感謝しよう」って本当は伝えたいのかも知れません。
ただ念仏を唱える魚とか壮絶な展開のインパクトが強すぎて、伝わりづらい気がします(笑。
あとは、平安時代はあらゆるものを恐れていたとか
「しかし関東、東北、当時の蝦夷地の人は動き回っていたし、猪とか鹿もたべていたから体力もあったのでしょう」
というコメントもありました。
やがて夜が深まったころ、妖怪愛好家と同時に猫狂い仲間のけいちゃんが登場しました。
とりあえずお坊さんと猫の動画の話になりましたが、「猫って坊さんに化けるよね」って話に発展しました。
国際日本文化研究センター 怪異・妖怪データベースから二つご紹介。
ある家で飼い猫がいなくなって探していたら、坊主が家に来て主人を殴った。その坊主は猫が化けていた。 (栃木県/粕尾の民俗―栃木県上都賀郡粟野町旧粕尾村(下粕尾は除く)―)
「猫 | ネコ | 怪異・妖怪伝承データベース」より
化けて帰って来て主人を殴るのはヒドイですね。なにか日頃のうっぷんがあったのでしょうか?
けいちゃんからは「猫は理不尽ですからねぇw」と猫狂い(失礼)ならではの見解がありました。
殴られた主人「我々の業界ではご褒美です!」
(と、言っていたかは分かりません)←多分言ってない
瀧寺の和尚さんの命を天井裏に住む鼠が狙っていた。寺に飼っていた猫がその鼠を退治した。そして猫は300軒の檀家を和尚さんに差し上げると言った。…(以下略) (香川県/昔話研究)
「猫 | ネコ | 怪異・妖怪伝承データベース」より
もう一つお話の飼い猫ちゃんは、対照的にご主人思いです。
省略した部分の棺が上がったままのくだりが良く分からないのですが、最終的には猫ちゃんのお陰で300軒の檀家が付いたもようです。
(飼い猫が「火車」となって葬儀を妨害し、通りかかった主人が助けるという自作自演をしたのかも知れません)
また坊さんではありませんが、坊主頭の南方熊楠と猫を描いた水木しげるの「猫楠」という漫画があるそうです。
お題について他にも色々ありました。ダイジェストで紹介です。
僧のうち出家だけした寺にとどまらない「入道」。
他に白山坊、坊さんに化けるケース、鉄鼠、陰摩羅鬼、天狗と続きました。
それと「すたすた坊主は何もの?」という話がありました。
チャット会の時には知りませんでしたが、すたすた坊主は江戸時代の歳末などに町に現れ、芸を披露していた門付け芸人のひとつです。
門付け芸人はケガレを祓う役割も担っていたらしく、何やら心躍る人たちなので、道中記か何かで紹介する予定★
お題以外では、デビルマンレディーの話がありました。悪魔は専門外です。
坊さん関連の妖怪は、一度の茶会では語りつくせないほど盛りだくさんでした。
今日語られる妖怪が、仏教との結びつきの強さを表しているのではないかと思います。
類似テーマの回の報告:
2019年09月「妖怪化させたい霊和の道具」 付喪神の仏教的なテーマについて触れています
関連ページ:
「かつて穢れとされ、賤視(差別)されていた人々の事」より 中世で広まったケガレ思想について書いてます
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