定期チャット会でどんな話をしているか…
気になる(?)内容を月ごとに閲覧出来ます
開催日 | 2016年11月25日(金) |
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お題 | ネットロア・都市伝説 |
参加人数 | 7名 |
参加メンバー (敬称略) | ババンバ、 雪風、 ブラックエクスプレス、 ひだまりこたつ、 烏山奏春@兵主部、 蝦蟇仙人、 しろた |
参加頂いた皆様 有難う御座いました
参加人数7人と賑やかなチャット会となりました。
しろたは、PCのブルースクリーンでリアルな恐怖に震えたりしましたが、ネットロアや都市伝説について話を弾ませました。
昔話や伝統的な言い伝えとは異なる今の時代の怪談となるテーマとも言えます。
実例も交え、皆さんの様々な考え方が聞けてホックホクでしたよ★
ちなみに「ネットロア(netlore)」というのは、ネットワークとフォークロワ(地域・民族特有の言い伝え)の合成語で、インターネットの都市伝説全般を指すみたいですよ。
都内某所で撮影・加工 しろた
ネットロアらしい話題ってことで、ババンバさんが「意味が分かると怖い話」を挙げてくれました。
ページの所々に落ちとなる真相がありますので、良ければ妄想を楽しんで下さいね。(「真相」をクリックしても見れます)
「意味が分かると怖い話例」は、ババンバさんがチャットの場で即興で出題してくれた内容を元に、妖怪館で編集しています。なので、正確でない可能性もありますでご了承お願いします。
また、サイトによって解釈が異なるそうです。
東京に一人暮らしする事になりました。生活を始めているうち、部屋に小さな穴があいているのに気づいた。その穴は隣の部屋に続いていて、穴を覗いてみた。
穴の向こうは真っ赤だった。「隣の部屋は赤い壁紙なのか」と思いつつ毎日、
女性は小さな穴を覗いていた。いつ見ても赤いため、隣の部屋が気になった女性は、マンションの大家に聞いてみることにした。「私の隣の部屋にはどういう人が住んでいますか?」すると大家さんは答えた。「あなたの隣の部屋は病気で目が赤い人が住んでいます」 真相1
大学で日本の風俗を研究している私は、休みを利用して、東北の海沿いの道路を歩いていた。
道路から階段が伸びていて、下には岩場がある。ふと下りてみたそこには1人の少女がいた。 少女は岩場を、何かを探すように歩いていた。
「何か探しているのですか」私は声を掛けた。 「貝を」少女は言った。「幸せの丸い貝を探しています」 貝とはまた奇妙だ。 それは希少で高級な貝なのかと問えば違うという。
食用かと問えば、食べる人もいるが、と言う。となると、恐らく貝殻が必要なのだろう。 「祭で必要なのです」と少女は言う。「幸せの丸い貝が無いと、祭が台無しになってしまう」
その話に興味を持った私は祭のことを少女に問うが、少女はよくわからないという。 親類が詳しいというので、頼み込んで家まで案内してもらった。
少女の家はまさに祭りの前日といった様子で、着くなりたくさんのご馳走で歓迎された。
ヒント:幸せの丸い貝 真相2
少女のところにお星さまが降り立ちました。
「なんでも一つ願いをかなえてあげよう」お星さまはいいました。
少女は泣いていました。「家族を消してちょうだい!あんな家族、まっぴらよ!」
次の日、少女が目を覚まして一階へおりると、いつものようにおかあさんとおとうさんとおにいちゃんがいました。
少女は後悔しました。
その夜、再びお星さまは少女の目の前にあらわれました。「気に入ってもらえたかな」
少女はいいました。「昨日のおねがいをとりけしてちょうだい」
お星さまはいいました。「一度かなえたおねがいはとりけせないよ」
少女は泣きました。 真相3
真相1:隣の赤い目の住民と目が合っていた あらすじに戻る
ババンバさんが出題して、他の参加メンバーが当てていく形式で進みました。
当てる参加者はそれぞれ正解が分かったり最後まで分からなかったり、でした。
分からないと真相が気になってモヤモヤしますが、真相が分かるとスッキリします。
真相を話す前に自力で正解が分かると、さらに愉悦にひたれます(笑。
ひだまりこたつ氏「意味怖(意味が分かると怖い話の略)は一種のアハ体験。」
「意味怖」へのコメントも色々ありました。
結末(真相)をめぐり、謎解きをしていく。そして、上記のようにその話を理解した者に「なるほど!」と思わせる面白さがある。
「言葉遊び」の要素もあるので、江戸時代に創造された妖怪をちょっと連想できてなんだか嬉しいです。
また、不確かな情報がネットを中心にしたメディアで拡散される過程で変化しているのは、口伝されていく過程で変化してく伝承とどこか似ていますね。
ババンバさんの話では、「赤い部屋」に関しては口伝えで直接聞いたそうです。
加えて、「意味怖は現代人の口承文芸の一つとなっている」という考察もあり、若手の民俗学者の間ではインターネット上での話も扱われるようになってるそうです。じゃんじゃん研究が進むといいですね!
落語の「落ち」に近いが、「意味怖」の場合は意味が分かって初めて怖さを感じる点が違うという意見もありました。落語の場合は、その過程の演出の恐怖がありますからね。
また、2014年に発表された「SNSにおける子供の読解能力獲得の過程に関する考察(矢島伸男)」という論文に紹介されたってことで、国語教育の視点で考察されているのもまた興味深いです。
真相2:幸せの丸い貝というのがキーポイント。これを組み合わせると、贄(生け贄)という漢字になる。語り手は生け贄として捕まった。 あらすじに戻る
現代の都市伝説として陰謀論について、あれこれ意見がありました。
ロックフェラー、イルミナティ、フリーメーソンが裏で糸を引いている、という主にネットやテレビなどで流れている噂のことです。
この世の自分にとって都合の悪い事は、みんな誰かが裏で仕組んでる!とする事で、標的を明確にし、さらに、それに歯が立たない自分を正当化出来る。
と、だいぶ辛らつな意見がありました。(それってヤバイ宗教と同じだよ?!)
「俺様だけが知ってるんだ、えらいだろう!」という中二病の一種って事で意見は纏まりました・・・・。
陰謀論は、陰謀論そのものより注目される理由やその背景を考察してみた方が面白いのかも知れませんね。
また、妖怪ウォッチにもある「○○は妖怪の仕業である」に通じると言えますが、一部では(?)妖怪セラピーと言われているようです。
真相3:「いつものように」家族がいたと言う事は、その家族は義理の家族であった。本当の家族は、この世のどこかに居る。つまり、消してしまったのは、本当の家族であったという事。 あらすじに戻る
それから、2013年。子どもが中学生の時に届いたチェンメールを紹介しました。 参照:りんちゃんのチェンメール
「親友のりんちゃんに好きな人に裏切られて殺しに行きたいけど、交通事故で両足がなくなったから誰かの足が欲しい。このメールを10時間以内に20人に回さなかったら、あなたの足をうばいに行く」
という内容です。
誰かの足を奪って復讐するのにメールを回す必要があるの?とか色々内容が支離滅裂しているけど、そこも含めて狂気を感じさせるセンスのある文面に思えます。
「話を聞いた人所にやってきて足を奪ってく」鹿島さんという類似した話もあるようです。
○○以内に○人に回さなかったら…という内容は、メールだけでなく口伝や手紙にもあり形を変えて10年以上引き続いて現存した事が分かります。
また、チェーンメールより、書き間違えや読み間違えで「新化」が発生するアナログな不幸の手紙の方がロマンがある、というコメントも頂きました。
新化の一例で烏山さんが「不幸の手紙」から派生した「棒の手紙」を挙げてくれました。
「不幸」を「棒」に見間違えてそのまま広まってしまった系統らしいです。 参照:これが「棒の手紙」だ! 山本弘のSF秘密基地より
「28人の棒をお返しします。」のタイトルは、なかなかインパクトがあり。笑いを誘います。(擬人化だろうか)
狂気を感じて逆の怖いという意見もありました。
具体的に被害にあった人物の名前や住所を書くのも、りんちゃんのチェーンメールに引き継がれていますね。
他には消えるヒッチハイカー、アナル・ヴァンパイアも最浮上しました。
消えるヒッチハイカーは乗せたはずの人物が消えていた都市伝説ですが、ヒッチハイクの習慣が無い日本にはタクシーの乗客が消えていた都市伝説があります。
これも世界に共通の伝説が存在する、妖怪館の提唱する人類みな妖怪の一種ですね。
それと、日本の河童が海外でアナル・ヴァンパイアになったのはフリーメイソンの陰謀だそうです。
出所がはっきりしない、でも「本当に起こったことだ」と信じられているのが都市伝説という意見がありました。
古くから伝承としての妖怪・怪異は出現地域が特定され、名称や特徴が同じだとしてもその土地の特色があります。
全国・全世界でグローバル化された都市の新しい怪異の形と言えるかも知れません。
ちらほら参加メンバーが集い始めではぬらりひょんの孫の熱い語らいがありました。
他にも「学校怪談」などの高橋葉介氏の漫画や気付いたらメルヘブン(妖怪漫画じゃない(笑)やパルプンテの話もしてました。
それから烏山さんとの居残りタイムでは、中国の伝承である捜神記と遠野に伝わるおしらさまの蚕信仰についての話で盛り上がりました。書かなきゃ勿体ない萌え話ですが、更に長くなってしまうので省略しますっ!
あとは妖怪を書物で調べるかフィールドワークするか、という話もしてました。
この回はkojiさんは欠席なので不在でした。
ネットロア・都市伝説にそれぞれ思い入れのあるメンバが、たくさん語ってくれました。
途中、意味が分かると怖い話の実例で楽しみました。
現代生まれ続けている都市伝説は、かつての土地の伝承として存在していた怪異・妖怪の新しい形と言えるのではないでしょうか。