続いての現代編レポートは2017年6月に行われた「大怪展DE池袋」。
大怪展とは音ノ怪 絵ノ怪の主催する妖怪アートフェスで、たくさんのクリエイター/作家の妖怪アートや妖怪グッズが展示されます。
浅草での開催で姉妹サイトの妖怪雑貨屋として出展した事がありますが、池袋は訪れるのも初めてです。
日差しの強い初夏の中、どんな作品に出会えるかウキウキ気分で会場へと向かいました。
会場はなんと
東急ハンズの1階です!!
東急ハンズといえばかつてゲゲゲの鬼太郎とのコラボ企画を行っていましたし、妖怪にとても理解があるのですね。有難う御座います。
大怪展は開催ごとにそれぞれテーマが設けられていますが、今回は「妖怪道中膝栗毛」というタイトルの通り江戸の滑稽本のようにコミカルで、現代でいうPOPな!妖怪がテーマとなっています。
「池袋でPOPな!」とはなんだかお洒落な感じですね。ちょっと緊張してきます…。
東急ハンズの中に入って少し歩くと、見えてきました。
POPだ…POPな妖怪グッズです!
テーマに沿った妖怪グッズ・妖怪アートが多く、系統が統一されているにも関わらず異なる作り手の作風や思い入れが入り混じる混沌とした感じが街の風土にマッチしています。
その日はちょうど夏目友人帳とコラボ企画を行っていて、1Fのフロアの一部が妖怪ジャックになっていました。
ブースはクリエイターごとに分かれていて、クリエイターさんの紹介もあります。
展示品が気に入ってその場で購入をためらっても、名刺やチラシを持って帰って後でチェックすることも出来ます。
写真のソフトビニール(ソフビ)人形は、大怪展ではお馴染みのサンガッツさん。
池袋でも浅草でも大人気で、ファンの方がたくさん買いに訪れます。
昭和世代にとっては少し懐かしい印象かも知れません。
東急ハンズの開店直後に入ったので人はまばらでしたが、1時間ほどすると平日にも関わらずだんだん人がたくさん入ってきました。
訪れる人が多く、さらにブースに立ち寄る人たちもその目的も様々なことだと思います。浅草の大怪展と違うところでしょうか。
また、ブースを巡回していたクリエイターのオノダエミさんの話では、出展した渋谷の大怪展と比べると興味を持って一通り見てくれるそうです。
アニメなどのニューカルチャーに興味ある人が多く、出展している作品はクリエイター独自に創造された妖怪で、自分たちの知っている妖怪とは異なっているにも関わらす受け入れてくれる。寛容さ・懐の暖かさを感じると話してくれました。
同じ東京でも、会場ごとに個性も様々みたいです。
他にもオノダさんに大怪展についてお話を伺いました。ご協力いただき誠に有難う御座います。
質問ごとに答えて頂いた内容を元に妖怪館で編集しています
出展している作品はどちらですか?
魚肉界の紳士、魚肉さんです。
魚肉加工工場で、製造過程でフェロモンが混入して誕生した紳士です。
魚肉ソーセージは、愛知県にある老舗の工場で製造されています。(ソーセージ以外にはボールペンやキーホルダーの他、たくさんの種類が雑貨が並んでいました)
カメラに収まりきらないほどのサイズの魚肉さんは抱き枕で、ファンの方からのリクエストで作られました。
出展している作品のテーマなど
魚肉さんが化身となってコミュニケーションとなり、自身が社会と繋がっていった。
人に寄り添い、一緒に歩んでいく「ドラえもんのような存在」です。
大怪展DE池袋に出展したきっかけは?
魚肉さんは当初、妖怪という認識はなく不思議な存在という位置づけでした。
大怪展を主催する高☆梵(たかぼん)さんに「妖怪でしょ」と声を掛けられたのがきっかけです。
妖怪は人から人へ伝え伝えで生まれるものなので、最初は妖怪でなくても「人々にそう認識されていけば妖怪で良いのではないか」と思ったそうです。
妖怪愛好家へのメッセージをお願いします
スタンダードからはみ出た、今までと違う新しい妖怪に注目して下さい。
「現在の、これからの妖怪を見出そう!」
そんな動機で始めた道中記の現代編。
今回の妖怪レポでは、「今までの伝承やキャラクター化された妖怪を大切にしつつその枠を超えて新たな妖怪を創造し、それを既存の定義に縛られず受け入れる人がいる」という、ひとつの道しるべが得られたのではないかと思います。
文:妖怪館
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