魑魅のささやき 2020年11月のチャット会報告

では真怪とは何なのか？
集まった妖怪好きの皆さんに聞いてみたいと思います。

また、九重さんと安国寺さんは初参加です。どうぞよろしくお願いします。

その日は鼻を衝く…排水溝から強烈な臭いが漂っていました。パイプユニッシュを入れれば、臭いが収まるはずなのに…おかしい。
この怪現象的状況を、嬉々として最初に入室した参加者に実況をしました。

いや実際は、キッチンハイターを入れてたってオチですが(良い子も悪い子も絶対にマネしないで下さい)。
なんかもう…絵に描いたような「虚怪」。真怪とは程遠いスタートです。

いきなり虚怪の茶番を聞かされた最初の参加者ですが、真怪についてコメントしてくれました。
昔の言い伝えより科学的見解が発達して、妖怪とかは神秘のない今では視認できないかもってことでした。

とは言ったものの、妖怪と結びつかなくても科学や化学の中にも神秘はあり、色々科学で解明できてないものもまだあるよねって話になりました。

地球が回ってるのも不思議だし、原子が結合するのも不思議で、それ自体奇跡の巡りあわせと言えます。
真怪や化怪は、案外身近にあるのかも知れません。

後から来た別の参加者も真怪への関心が高く、円了先生の最後の著書の名前も「真怪」で、説明がつかない未知なる存在には大きな可能性を感じると話していました。

一方現代にある神秘の一端として、祟りが来る将門信仰は今でも健在でご利益あるかもってことでした。
「何せ祟り神でありながら東京の守護神ですから」というコメントもありました。

排斥された者に対して、その後敬って祀るという精神が館主は好きです。将門公好きです。

余談ですが、この時期は神田明神境内などで将門キューピーが販売されていました。
首が取れる大変シュールな逸品でしたが、現在(2024年6月)はすっかり見なくなりました。
ブラックジョークが過ぎたのかも知れません。

また円了の人物像について。
妖怪否定派と言われていますが、純粋に妖怪を知ろうとしている節があるように思えます。それに対し、

「妖怪博士とかお化け博士とか呼ばれてたわけですからねｗ本人もお寺出身だし、たぶん凄く好きだったんじゃないかなと思います」

とコメントがありました。

また円了の研究は、文明開化の中、それを阻害する世の中に溢れる迷信をなくそうとしたのだろうって事でした。
自分は郷土研究が目的で部落差別についても学んでいるので、差別や偏見の原因である迷信/妄信を無くそうとするのはちょっと分かります。

一方、日本書紀に登場する神々の神話・世界中の神話伝承も真怪にあたるのだろうか？という話にもなりました。

「日本の神々についても何なんだと言うとわからない」
「天津神は外様の神らしいですが出典は不明なんですよね・ｗ・」

など意見があり、いまだ神秘の存在であることには変わりないようです。
また先に差別問題に触れていたこともあって、当時天皇に従わない人を土蜘蛛と蔑称で呼ばれていたことなども話題となりました。
一方的な見方をするのではなく、「侵略する側・侵略される側どちらの視点が必要」と真面目なやり取りがありました(他が不真面目みたいですね)。真怪もその先にあるのかも知れません。

今回初参加の安国寺さんは、Youtubeで妖怪解説を行っています。

まつろわぬ民や狩猟の神の話題になり、そこから動画で取り上げた両面宿儺について話しました。
他に妖怪のアニメについて色々。日本神話繋がりで猿田彦の命やアメノウズメの命。それから近年の寺社のIT化についても話していました。