妖怪しゃべり場! チャットの間 魑魅のささやき
魑魅のささやき 2019年10月のチャット会報告

定期チャット会でどんな話をしているか…

気になる(?)内容を月ごとに閲覧出来ます


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開催日2019年10月25日(金)
お題虫の妖怪
参加人数4名
参加メンバー
(敬称略)
雪風、 もうだ、 フォア、 しろた

参加頂いた皆様 有難う御座いました


虫の妖怪

この月は虫の妖怪をお題にしてみました。
お題に関しては、多く話したり全く触れなかったり様々です。
今回はお題について多く語られた回ですが、まったく脱線することなく語られるという…ちょっと珍しいパターンでした。

なかなか気が付かないけれど、実は数多くある怪なのかも知れません。虫だけに。

月と蜻蛉のイラスト 12月定期チャット会イメージ
AC様から拝借

もうださんが久々の登場で、ツツガムシが個人的に馴染み深いと語りました。

ツツガムシはダニの一種として知られてますが、妖怪図鑑に妖怪として載っていたそうです。

wikipediaには、

石見国(島根県西部)に夜な夜な民家に入り込んでは寝ている住人の生き血を吸う「ツツガ」という虫がいた。のちに陰陽博士により退治された。

とありました。

「血を吸って」とあるので、ダニのツツガムシと同一と見て間違いないですね。
布団などに潜り込んで、寝ている人を刺していると解釈できます。

これに対して、
「実在のツツガムシが、皮膚を刺してツツガムシ病の原因にってことなんで、実在の虫を妖怪として扱った結果ですかねぇ。」
というコメントがありました。

ツツガムシ自体、異形の姿をしていたので、人に害をもたらす妖怪という見方も出来るかも知れません。
江戸時代で姿を見れていたのかは分かりませんが、絵本百物語でも異形の姿で描かれています。
(江戸後期なら見れてたかもってことでした)

またひょっとしたら、危険性を分かりやすく伝える為に妖怪という位置づけにしたのかも知れません。

絵本百物語のツツガムシ(Takehara Shunsen wikipediaより)
絵本百物語のツツガムシ(Takehara Shunsen wikipediaより)

次に、人に飼われ・自然界では自力で生きられない蚕。
その儚くも数奇な生態を持つ蚕への信仰から、遠野のオシラサマの話題となりました。

オシラサマは馬と人間の娘の禁断かつシンドイ展開のラブストーリーですが、参加者の一人が初めて見聞きした時、

「馬?蚕?んんん?」

と、なったそうです。確かに…蚕とは結び付かないですね。

雪風さんからは「蚕が馬に似ているからだったと思います」という意見がありました。
でもその後、やっぱり似てないかも??な流れになってました(笑。

あと、蚕は後付けかも知れないという話もありました。

個人的には、蚕の養殖は中国から渡って来たので、日本の養蚕の始まりとされる金色姫伝説と何か関連がありそうだと思っています(馬の要素はなさそうですが)。

よろずの掲示板「金色姫伝説」


大ムカデについても語られました。琵琶湖の瀬田の唐橋の伝説だそうです。

大ムカデ退治(福娘童話集 きょうの日本民話より)

こちらのサイトによると、唾が弱点で、唾を付けた矢で射られて退治されています。
唾は魔除けになると言われることがあり、矢で退治されるもの英雄に倒される鬼や魔物の特徴になりますね。
「祓われるもの・まつろわぬもの」の部類の妖怪ですが、温羅のように背景があるのか気になるところ。

一方、大ムカデを退治した俵藤太は、「竜神から褒美に米が無尽蔵に出てくる俵など授かった」と参加者が話してました。
彼は大英雄にしては知名度はちょい低めではありましたが、FGOで一部の層からの知名度が上がりましたね。
きっとそのうち弾左衛門もFGOに登場しますね。楽しみです!

他には、唾ではなく

「だったら、『ウンコ』つけて(矢を)打ったらどうだっただろう?」

という提案がありました。

それに対しては、
「ビジュアル的にあかんすぎる・・w」
「矢にうんkはちょっと」
「日本書紀にあったからいける」
「水木ネタなら、たぶんそうしたと思います。特に京極先生が」
「俵の某。ふんと気張るとひりでたものを鏃に塗り込め 南無八幡大菩薩・・・・!不敬すぎる!」
など、様々なコメントがありました。ただ、戦略的にはありかも知れません。

同時に雪風さんが、火間虫入道のイラストをUPしてました(別名:ゴキブリ)。
とても上手に…書かれていました(((( ;゚Д゚)))。


オキクムシ(於菊虫)についても少しありました。

菊という女性の名前から来てますが、女性が縛られているようなジャコウアゲハの蛹の姿かたちからそうなったと言われています。
村上健司氏の「日本妖怪大事典」に、姫路では昭和の初めごろまで1匹15銭くらいの土産物として売られていたと書いてあったので、その事を話していました。
近年でよく見られる妖怪と商業が結びついたパターンで、妖怪学としては興味深いかも知れません。

同書によると、番町皿屋敷のお菊さん以外にも色々なお菊さんがいるようです。

改訂・携帯版 日本妖怪大事典(角川文庫)|amazonショッピング

続いて三尸虫が話題になりました。鬼太郎の題材にもなっていたので、鬼太郎の話になりました。

うろ覚えですが、しろたの推しのねずみ男が「三尸虫は胎内にいて、悪いことしたら閻魔様に告げ口をする」と講釈しているシーンを漫画で見ました。

それから鬼太郎は虫と話が出来るって話もありました。しかしながら、猫娘も砂かけ婆も話しているシーンもありました。皆話せる設定かも知れません(笑。

あとは虫を食べそう、という意見もありました。
実際に墓場鬼太郎では、鍋にいもむし・げじげじ入れて食べる妖怪のパーティーがありました。


余談ですが寄生虫の話が出た時、プライパンでムニエル調理中のタラの切り身から、それもう冒涜的な触手が生え出てきたことを思い出しました。
ちょうど翌日に、さに友(刀剣乱舞繋がりの友だち)たちと、クトゥルフ神話TRPGセッション(キーパー担当)が控えてました。なんという事でしょうか。

アニサキスという寄生虫が世間を賑わせていました時期でしたが、ちょっと触手は無理ですね。


器に虫を集め、共喰いさせ、生き残ったものを呪術に用いる蟲毒は、中国が発祥か?という話になりました。

鬼太郎の漫画に登場した中国妖怪が蟲毒を使っていたそうです。


あとはジンメンカメムシも妖怪化しそう(人面ゆえに)、牢屋の跡地に変な虫に酒かけたら消えた中国の逸話などありました。
酒をかけて消えてしまうのは、なんだか儚いです。

こうして振り返ってみると虫の怪異は数多くあるようで。
虫そのものは、小さくて命が短くて儚い存在だけど力強くもある。そういうイメージが妖怪と結びつくのかも知れません。

他には姿が異形であることかな、というコメントがありました。


虫の妖怪の他には?

食べる虫、虫を食べる習慣について。
それから魔女とサソリの関係についても少し触れてました。

今月のまとめ


たくさん話した回にも関わらず、ここまでテーマから全く逸れなかったのは珍しいと思います。

虫の怪異は結構多いということをテーマにすることで認識出来ました。
異形の姿とその生態・儚くも力強くもある虫に、人は深淵や神秘を見出すのかも知れません。

類似テーマの回の報告:

2017年08月「夏の終わりに病と妖怪」病の原因とされた虫のコメントあり

関連ページ:

妖怪雑記帳「平塚のお菊塚」

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