定期チャット会でどんな話をしているか…
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開催日 | 2017年10月27日(金) |
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お題 | 日本刀と妖怪・鬼 |
参加人数 | 6名 |
参加メンバー (敬称略) | 烏山奏春@兵主部、 雪風、 ババンバ、 ひだまりこたつ、 みかん、 しろた |
参加頂いた皆様 有難う御座いました
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街がハロウィンに染まる中、最近茶会で浮上する「日本刀と妖怪」という西洋のお祭とはかすりもしないテーマとなり、刀に思い入れを持つ参加メンバに思う存分語って頂きました。
最初は烏山さんとしろたが入室し、平家物語 剣之巻や土蜘蛛草紙に登場した蜘蛛切(膝丸)の逸話について話してました。
ACより(加工あり)
剣之巻や土蜘蛛草紙に登場した大ぐもは、病を撒き散らしその象徴とされるところから日本の神話に登場する土着の民としての土蜘蛛よりも牛鬼や鬼そのものに近いってことでした。
また、佐脇崇之の牛鬼は蜘蛛っぽいという土蜘蛛と牛鬼の共通点についてもありました。
「『剣巻』をもとにして謡曲『土蜘蛛』が創られ、それが流布された結果、頼光が退治した蜘蛛の妖怪=土蜘蛛となったのでしょう」と烏山さんの見解を話してくれました。
しばらくすると雪風さんが入室し、このタイミングで数匹の牛鬼を走らせてギャンブルさせる鬼太郎ネタが投入され和みました。さすがですね。
その後もしばらく、土蜘蛛の話題で持ちきりでした。
土蜘蛛は天孫降臨以前に住んでいた土着の民を本来指しているが、「平家物語 剣之巻」で頼光が退治した大ぐもの妖怪は別物で病の象徴。その後の剣の巻の元にした作品で土蜘蛛の名が定着していった。というのがこの場での結論でした。
やがて他の参加者も続々入室。あとは、橋姫の腕を切った髭切、酒呑童子退治の童子切安綱、火車を切った火車切友重、退魔の逸話のある大典太がダイジェストに挙げられました。
また、山姥切の名を持つ長義作の本歌の山姥切と国広作の写しの山姥切り。
刀剣乱舞ではお馴染みになりましたが(茶会の時は本歌未実装)、共に山姥を切ったという伝承があるとのこと。他に山姥を斬った刀として「嫗斬国次」があるそうです。
それぞれ別の刀剣に同じ伝承があるのは、妖怪と共通する所ですね。突き詰めれば伝承と言うのはそういうものかも知れませんが。
それから「太平記」の北条家の方の鬼丸。とかは日本刀の「精」が(夢に)現れるという姫鶴一文字も挙げられました。
陰陽師や安部晴明の話になって晴明が霊剣の鋳造に関わりがあった、という指摘が陰陽師にも詳しい烏さんからありました。
天徳四年(960年)。京の火災で内裏にあった二振りの霊剣が焼失する。その霊剣の再鋳造を晴明が指揮した、という話です…。が、
これは実際に指揮したのは賀茂保憲で、「保憲の死後→晴明が自分の業績として騙ったもの」というオチがありました。ここで晴明へのブーイングが起こり、賀茂家への同情の声もありました。
二つの小狐丸の話もありました。
稲荷明神の狐(の化身?)が合槌を勤めたという小狐丸。
もう一つは源九郎狐に由来する小狐丸。
公式ページによると、源九郎稲荷神社の境内に住む子狐が、村人を苦しめる大蛇を源九郎狐の加勢を得て退治をした。その大蛇の尾から見つかった宝剣を「小狐丸」と名づけた事が由来だそうですが、やまたの大蛇の尾から顕現した草薙神剣を思い出します。
それから狐繋がりで、怪談と名刀にある「二ツ岩貞宗」という話の中の団三郎が、狸ではなく「古狐」だった話題が出ました。
「狸じゃなかったっけ??」の空気となりました。狐が狸に化ける。いや本当は違うかも知れない。
これが「狐と狸の化かしあい」ってヤツでしょうか?というより狐狸が共謀して人を騙してる感じですねぇ。
怪談と名刀の他に、ひだまりさんおススメの漫画を紹介しておきます。
火車を切った刀が挙げられましたが、死んだ人の魄(魂魄の魄=身体)を何かの妖かしに乗っ取られぬよう、胸元に守り刀を置くそうです。
また未確認ですが、火車避けに胸元に(短)刀を置く話があったかもという発言もありました。ニャクロマンサー浮上です(^ΦωΦ^)。
最後に参加メンバーから、
「日本刀は簡単にヒトの命を吸い上げるし、妖しい輝きでヒトを魅了するし、そのくせ近寄りがたいし、で、十分妖怪とか神様と結びつきそう」
とコメントを頂きました。
他にはこんな話題がありました。
刀への造詣が深い参加メンバから興味深い話をたくさん聞けて、この回もまた心躍るチャット会となりました。
命を奪う道具であると同時に、古代から人々に神聖を見出されてきた日本の刀剣。
刀鍛冶は製鉄とも関わりがあり、製鉄の仕事(多々良)は古代では穢れと共に神聖視された職でもあるようで、ひょっとしたらそういった事情もあったかも知れません。