人類みな妖怪
2018年冬。
最先端の妖怪研究に触れるべく初めて参加したコミックマーケット(出展はしてないよ!)。
その戦利品である「空亡~年末号」で特に興味深く、かつ人類みな妖怪で紹介したいレポートを発見しました。その名も…
ビックフット女房だ!!
ビッグフットというのは、北米大陸で目撃されると分類される毛むくじゃらの人型の生物。現在、未確認動物(UMA)とされています。
空亡年末号の小山田浩史氏の「ビッグフット女房譚 ゴリラ女房の周辺を散策する」に、カナダの探鉱者の男性がビッグフットにさらわれ、数日間生活を共にした体験手記が掲載されていました。わくわくしますね★
1924年の出来事でさらわれてから逃げ出すまでの6日間の様子が綴られていて、くわしくは省略ですがその生活は、
「ビッグフット一家の雌(女性というべき?)のつがいになるため、さらわれてきたのでは…?」
と思わせるものだったとあります。
もちろん真偽を疑う声もあったみたいだけど、さらわれてから30年ぐらい後…1957年の新聞に掲載された体験手記で、当時のビックフットへの関心の高さが伺えますね。
さて。なんだか女房の双璧のような扱いになってしまいましたが、もう一つのゴリラ女房。
こちらは日本の沖縄県の伝承で、新版TYZ「ゴリラ女房」によると
「島の男がゴリラにさらわれる」→「ゴリラたちと生活を共にする」→「関係を結び子どもを授かる」→「逃亡を試みる(成功できたかは不明)」…といった展開です。
最後、男が逃げ出す時に「抱いていたわが子を引き裂く」といういささかショッキングな場面もありますが、類似している事が分ります。
ビッグフットは、北アメリカ大陸の原住民の伝承に登場する「サスカッチ」という毛むくじゃの獣人と同一という見方もされています。また論文でも
ゴリラ女房は沖縄の民俗というフレームを超えて世界的な、人類共通の大きなおはなしとして存在しているのではないかという見通しの提示である。
と締めくくられています。と言うわけで、
ゴリラ女房。ビッグフット女房。世界と人類をつなぐ妖怪になりうる存在ではないでしょうか。今後も注目していきたいですね!
空亡(KUu BOo) 年末号掲載 「ビッグフット女房譚 ゴリラ女房の周辺を散策する(小山田 浩史)」