定期チャット会でどんな話をしているか…
気になる(?)内容を月ごとに閲覧出来ます
開催日 | 2017年1月27日(金) |
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お題 | 鬼 |
参加人数 | 6名 |
参加メンバー (敬称略) | 雪風、 鈴夢、 ひだまりこたつ、 ババンバ、 みかんぴあの、 しろた |
参加頂いた皆様 有難う御座いました
1月末に行われたテーマはズバリ「鬼」。
ちょうど節分が近いので、それに習いました。
鬼に纏わる面白い話を参加メンバーに語っていただきました。
まず最初に、死んだ者の霊を指す中国から日本に渡る前から始まり、日本で変貌を遂げていった「鬼」という存在の移り変わりを語りました。
平安時代末までは、祟り神それから道中記の牛鬼でも取り上げた祇園信仰に見られるような厄払い的な役割だったが、時代が進むと滑稽なものになっていったって事でした。
角をはやして体を大きくしたイメージはたぶん鎌倉後期から室町時代ぐらいではないか、というコメントも頂きました。しろたも虎のパンツに角を生やした姿になったも、妖怪の視覚的なキャラクター化が進むのと同時だと認識しています。
フォトACより
あと、飛鳥時代・奈良時代は仏教を広める為の描かれたものが中心だよねって話でした
「祓われる鬼」として桃太郎の鬼(吉備国に伝わる温羅)。それから日本最古の鬼の記録(候補?)として、「出雲国風土記」の阿用郷の鬼(あよのさとのおに)。平安時代「日本霊異記」の元興寺の鬼が挙げられました。それから最古の鬼の絵として、飛鳥時代の「羅刹(らせつ)」・「施身聞偈図(せしんもんげず)」も挙げられました。
日本最古の鬼に諸説について「何を基準にした違いがあるのか」という疑問も出てました。
さらに時代を進めて、うる星やつらのラムちゃん・鬼灯の冷徹・薄桜鬼の千鶴・妖怪のお医者さんのアコさん・東方projectの茨木華扇、伊吹萃香、星熊勇儀・魔界水滸伝の茨木童子と、身近な現代の作品に登場するキャラクターの鬼でも盛り上がりました。(当方、ラムちゃんと鬼灯様しか分かりません…)
妖怪が好きというだけで皆さん集まっているので、様々なジャンルや世代の作品が入り混じってこの辺カオスでした。(ずっとそうかもだけど)
可愛らしいヒロインのイメージのラムちゃん(うる星やつら)は、それまでの鬼女の恐ろしいイメージを打ち破ったという意見がありました。
中国の事情に詳しい雪風さんが、現代の台湾・香港の若い人は本来の中国語の「鬼=幽霊」ではなく、日本で培われた概念である「異族、超人的な存在」という認識があると話してくれました。
さらにアニメのキャラクター化で「面白い生き物。中には美人もいる」という概念も入り興味深い文化交流ではありますが、中国のお年寄りからしてみたらだいぶショッキングでしょうね・・・・。
想像する中国のお年寄り「なにを言っているアルか!鬼はそうじゃないアル(怒)!」(注:実際アルは使わない)
薄桜鬼も台湾で人気があるらしく、歴史を通じて中国と日本を変貌を遂げて行き来する…そして世界に発信され続ける今の「鬼」に存在感と奥深さを感じざるを得ません。
中国の鬼という事で、道教の概念から来る動く死者・キョンシーの話もたくさんしました。
何年も前にブームになった、特殊効果やカンフーアクションを織り交ぜたホラーコメディ「霊幻道士」を知っている参加者が多く、共通の話題となりました。
「道士の書いた札を貼る」、「太陽の光に弱い」などキョンシーに遭遇したときの対処法について話しました。(対処するつもりなのか(笑))。
ログを読み返して気付いたのですが、札を頭に貼れば意のままに操れるのはブードゥ教のゾンビにとても似ていますね。ゾンビに似ているという意見は参加者からも頂きました(ブードゥ教ではなくゾンビ映画から来ているのかも知れませんが)。
付随してゾンビの映画やバタリアンの話もありました。
また、ババンバさんがご自身で書いたキョンシーのテキストを引用してくれました。
キョンシーは、死体が追いかけて来て、噛みつかれるとキョンシーの仲間になってしまうという怖ろしい妖怪だ。
しかし、お札を貼る、梯子に昇る、息を殺して隠れるなどの対策をすれば、危険から逃れることができる。
危険な妖怪の中には対策がいくつか用意されている例は多い。
このことから、危険なものでも、事前に対策を知っていて、万全の対策をとれば、被害を最小限で食い止めたり難を逃れたりできる、ということをキョンシーは教えてくれる。人生における困難や挫折あるいは災害も例外ではない。
また、何度倒れても起き上がり復活するキョンシーからは、あきらめずに頑張る姿も見習うべきものである。
>何度倒れても起き上がり復活するキョンシーからは、あきらめずに頑張る姿も見習うべきものである。
にほっこりしました。
中国は日本と並ぶ妖怪大国なのに、伝承や宗教の枠からはみ出すことなく日本のように盛り上がっていないのはなんでだろうって話なりました。
理由としては、戦後文化大革命などがあり、表現の自由が失われたからということでした。ただ、ただし「迷信」は今でも強く、あやしげなシャーマンとか徘徊しているそうです。
逆に言えば、日本で妖怪文化が盛えるのは、国として自由が護られ続けているからとも言えますね。
ひだまりさんがキタキタ親父になりました。
それから、異類婚姻譚。現代のカルチャー作品(「ぬ~べ~」や「うる星やつら」)との比較を交えてお話しました。
他に、怪異を題材とした漫画「詭弁学派 四ツ谷先輩の怪談」、山童・河童は季節の「境」を行き来しているね、と話題は多岐に渡りました。
古くは中国から渡り、日本で独自の変化をとげた「鬼」。
その一方、現代のカルチャーで日本で培った鬼の概念がアジアに逆輸入され、国それぞれの文化的繋がりを担う存在になっていることが分かりました。